もちもち

天才マックスの世界のもちもちのネタバレレビュー・内容・結末

天才マックスの世界(1998年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

私立ラッシュモア高校に通うマックスは、多数の課外活動に参加し、人並外れた才能を持ちながらも、成績はふるわず落第ばかりの問題児。女性教師のクロスに恋をしたマックスは、同級生の父親である鉄鋼会社社長ハーマンに助けを求め、彼女を振り向かせようとするが。。。
ウェス・アンダーソン監督による奇天烈な青春映画。一応コメディ映画にあたるのかもしれないけど、どのジャンルにも属さないような奇妙なプロット。少年と女教師の恋ならありがちだけど、そこに既婚者のおじさんが入ってきて3人で仲良くなったかと思えば、そこからおじさんと女教師がくっつくという予想だにしない展開。シュールなコミカルさとシリアスさ、そしてクセの強さが融合され、最後は心温まる形に着地していく。なんかよく分かんないけど見入ってしまう。やっぱりウェス・アンダーソンは天才。シンメトリーな構図や視点の水平移動、カラフルな色遣い、台詞回しなど、らしさはありつつも初期作だからか割と抑えめ。ただカットの美しさは相変わらず際立っていて、ワンシーンごとに一時停止しながら見たいぐらい。「ブレックファスト・クラブ」みたいな雰囲気を感じるカットが多かった。マックス、ハーマン、クロス先生というメインのキャラクター達はみんな個性的で魅力的。特にビル・マーレイ演じるハーマンは独特の味がたまらない。急に子供のバスケのシュートをブロックしてはたき落としたり、マックスと喧嘩になって自転車を車で潰したり、単なるヤバい人にも見えるけど、なんか可愛い人にも見える。マックスも同じで、変人なんだけど憎めない可愛らしさが漂う。ウェス・アンダーソンワールドなんだけど、最近の作品とはまた違う魅力に溢れている素晴らしい映画に出会えた。
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