みんと

13回の新月のある年にのみんとのレビュー・感想・評価

13回の新月のある年に(1978年製作の映画)
3.7
『第三世代』とコレは、早々にギブアップしたまま放置してた。

久々に、勢いで、3度目のチャレンジ!
ギャスパー・ノエほどの衝撃シーンを今回は乗り切った!はぁ、長かった。

男性から女性へ性転換をした主人公エルヴィラの悲しき命運を描いた今作。
パートナーとの別れ、妻子との離別、修道院で過ごした幼少期、出生の秘密、そして性転換を促した男との再会…と、孤独が渦巻くエルヴィラ最期の5日間が映し出される……。

ファスビンダー自ら監督、製作、脚本、撮影、編集、美術を担当し、独自の演出が冴え渡る作品にして衝撃作。
また、ファスビンダー監督が自身の伴侶の自死をきっかけに手がけた私的作品でもあるらしい。

コレは究極のアート作品として観た方が満足度が高いと思う。『あやつり糸~』にも通じる、センスの中の難解さに頭が混乱する。
とりわけ、何度か訪れる長いモノローグには集中力を試され頭が爆発しそうだった。笑(牛の屠殺シーンは全く集中出来ず)

それにしても、素晴らしい映像力!
とことん奥行を意識した、しかも建具の額縁(特に縦のライン)を意識した構図には監督のストイックさすら感じる。そして当然色彩はアートそのもの。光と影、鏡の演出に至ってはニクイくらい。

とは言え、残念ながらストーリーは追えなかったなぁ…
勿論、感情移入なんて一切させて貰えない。あの、ダンスシーンは一体何だったんだろう…

なるほど!ファスビンダー最大の問題作と言われる事には納得できる。
アート性の強いクセ強監督ぶりはかなり突き抜けてた。
みんと

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