MASH

ソウ2のMASHのレビュー・感想・評価

ソウ2(2005年製作の映画)
2.0
1作目での成功を受け、ジグソウがパワーアップして帰ってきた。が、実際のところ別映画の脚本を『ソウ2』としてリライトして生まれた作品らしい。そのせいもあってか、前作よりスッキリした展開ながらも、1作目に感じたポジティブな点が消えてしまっていると感じた。

今回のターゲットはある警察官。彼の息子を含めた8人がジグソウによる死のゲームへと参加させられる。1作目では回想やら主人公以外の視点も多く、フォーカスがぶれている印象だった。しかし、今作は主人公の警察官とジグソウの対話、そして閉じ込められた8人の生き残りを賭けたゲーム、その2つの視点で話が進むため、前回のような短編映画を引き伸ばした感は少ない。

ただ、その分インパクトが薄くなっているのも事実。まずビジュアルが薄暗く緑色で見ずらく、変わり映えのしない映像。神経ガスにより徐々に衰弱していく、というのもなんとも絵面的には地味な設定。各自に課せられたゲーム自体はインパクトがあるものの、大してペイオフもなく終わってしまうため不完全燃焼。

そして、割と映画の多くを占める警察官とジグソウの会話。これが正直退屈。まず序盤からラスボスのはずのジグソウが地味な登場。その後も警察官を煽っていくのだが、そこに特に駆け引きがなく、単に爺さんの嫌味を聴くばかり。さらに彼がなぜジグソウの事件を起こしたのかが明かされるのだが、これがまた言ってはなんだが平凡。彼をジグソウたらしめる要素が感じられず、彼に対し恐怖も同情も抱きにくい。

そして1作目同様に、肝心の閉じ込められている人々のバックグラウンドも希薄。彼らに「助かって欲しい」とも思わないし、「罰を受けろ」とも思わない。せっかく少年を1人を残酷な状況に放り込んでいるにも関わらず、そんな彼にすら感情移入できないのだ。

ラストのオチはこれまた前作同様、割とエンタメ性も高く「おっ?」となる。が、そこにホラーとしての恐怖や嫌悪感よりも、"オチ"をつけることが重要視されているだけに感じる。そこに至るまでの微妙な過程に見合うものでも正直ない。たった2作でシリーズの総評をするつもりはないが、この調子でシリーズが続くのであれば、割としんどいかも
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