TAK44マグナム

ザ・テンタクルズのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・テンタクルズ(2002年製作の映画)
2.6
あまりにもベタ!!


有害物質を放っといたらムカデが巨大化しちゃって大変だよ!
という、驚異的に鮮度が感じられないような話を大真面目に撮ったモンスターパニック映画です。
あのマカロニ・タコ映画「テンタクルズ」とは何の関係もございません。原題は「センチピード!」つまり「ムカデ!」という直球なタイトルであります。


金持ちセレブの婚約者をもつデヴィットは、友人達に独身最後の冒険旅行に誘われる。
目的地はインド。そこに「地獄へ通じる」とも言われる洞窟があるというのだ。
地元のガイドと共に、七人の若者たちが5キロ地下を目指して探検を開始、仲間の中にはデヴィットの元カノであるセーラもいた。
各々が、どこか微妙な関係性をもちつつ、和気あいあいとした雰囲気で終着点へ辿り着いた一行は、そこでデヴィット独身最後のサプライズパーティーを始める。
そうして、しばらくすると爆発音がして出口への道が塞がれてしまう。驚くデヴィットたち。
仲間の一人であるマットが行方不明になり、すぐに死体で見つかるが、その身体には謎の咬みあとが残されていた。
やがて、脱出を急ぐ一行の前に恐るべきモンスターが現れる。
それは、地底で餌がくるのをじっと待ち構えていた巨大ムカデであった!
はたして、デヴィットたちは生きて洞窟から脱出できるのであろうか・・・・・?!


何故か舞台がインド(苦笑)
しかし、途中から登場するインド警察は非常に真面目で仕事熱心。
最初から最後まで遭難者を救助しようと全力を注ぐ姿に感激いたしました。
てっきり有害物質のことが露見しようものなら主人公たちを生き埋めにでもしようとするのかと思いきや、全然そんなこともなく。
良いんですけど、お話的にはまったく奥行きや拡がりがない(汗)

主人公たちにも、三角関係や虫嫌い、そして腰痛持ちなど、ドラマを語るための要素をいくつかブッ込んであるのですが、そのどれもが中途半端なので意味なし。
腰痛持ちなんて、そんな設定は本当に必要なかったし・・・

冒頭に出てくるインドの学生が、懐中電灯一丁という驚くほどの軽装備で洞窟の底に来たりして、「大丈夫か、この映画・・・」と心配になりましたけど、酷評されるほど酷くもないですよ。
ただ、全てが安っぽいですけどね。
なんとなく「ウルトラQ」とか、あんな雰囲気で逆に懐かしくなったというか。
一ミリもグロさがないので、「怖い映画ビギナー」であるお子様でもイケそうです。

一番良かったと思うのは、へたにCGに頼らず、ムカデのプロップをちゃんと作ったところですね。
実在感がやっぱり違いますよ。大作映画のようにCGにお金かけられないのだったら、「主役」であるモンスターぐらいプロップをこしられた方が絶対に正解だと思います。
まあ、出来は「ゴジラ」のショッキラスや「空の大怪獣ラドン」のメガヌロン並みですけれど、ムカデのくせしてどこか愛らしい(苦笑)
そして、メッチャ弱い!
ナイフや照明弾程度で死にます!
そのくせ、警察の銃撃にはへっちゃらだったりするのは何なんだ・・・

一応、本当に爆発したりするし、やれるだけの事はやった感もあるのは評価してあげないと可哀想。
ああ、なんて優しいんだ・・・面白くないのに頑張って良いところを見つけようとするなんて。
そう、自画自賛です!

正直に言えば、こんなの尺は70分で良いんじゃ?
本格的にムカデが襲ってくるまでが退屈すぎます。
それと、ラストに無駄に長〜いキスシーンがあるんですが、あの二人、マジでリアルでも付き合っているんじゃないのか?疑惑が生まれましたよ。なんか舌からませているような気もするし!
そんなどうでもいい疑惑もついてくる一作、過度な刺激を求めるならお門違いです。
昔のお子様向け怪獣映画を観るようなスタンスでの鑑賞をお願い致します。ブックオフ行けば250円で売られている程度なのですから・・・


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