あかつか

傷だらけの山河のあかつかのレビュー・感想・評価

傷だらけの山河(1964年製作の映画)
4.5
百貨店、鉄道、バス、学校…どこまでもエネルギッシュな山村聰。モデルは西武グループの堤康次郎。正妻に加えて愛人達と子ども達。大学で「え、お前もアイツの息子なの?俺もだよ…」なんて。

事業拡大、勝ち残るためには手段を選ばぬその姿勢、今どきの言葉で言うところのクズなのにどこか魅力的にうつっちゃうほど山村聰はカッコいい。

お茶を運んだだけで月給22000円の事務員から会長付愛人に特進した若尾文子。変貌ぶりは必見。「3年で手放すなんてもったいない」

わりと長めの152分。山村聰を中心に、本妻とその息子たち、愛人たち(とその夫)、私生児たち、前線で戦う部下たち(とその家族)…権力者の欲のために犠牲となった者をこれでもかと描いていく。てんこもり。骨太。

山村聰と唯一対等に渡り合うライバル東野英治郎もまたいい味を出しておられる。

山村聰と若尾文子コンビで、本作とは立場が正反対の『瘋癲老人日記』をあわせて見るとなおよし。愛人にネッキングしまくってるし。

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このレビュー書いてる時点で11人しかマークしていないのはなんでなんだろう。ソフト化されてるし、面白いからぜひご覧あれ!
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