傷だらけの山河の作品情報・感想・評価

傷だらけの山河1964年製作の映画)

製作国:

上映時間:152分

ジャンル:

3.8

「傷だらけの山河」に投稿された感想・評価

百貨店、鉄道、バス、学校…どこまでもエネルギッシュな山村聰。モデルは西武グループの堤康次郎。正妻に加えて愛人達と子ども達。大学で「え、お前もアイツの息子なの?俺もだよ…」なんて。

事業拡大、勝ち残るためには手段を選ばぬその姿勢、今どきの言葉で言うところのクズなのにどこか魅力的にうつっちゃうほど山村聰はカッコいい。

お茶を運んだだけで月給22000円の事務員から会長付愛人に特進した若尾文子。変貌ぶりは必見。「3年で手放すなんてもったいない」

わりと長めの152分。山村聰を中心に、本妻とその息子たち、愛人たち(とその夫)、私生児たち、前線で戦う部下たち(とその家族)…権力者の欲のために犠牲となった者をこれでもかと描いていく。てんこもり。骨太。

山村聰と唯一対等に渡り合うライバル東野英治郎もまたいい味を出しておられる。

山村聰と若尾文子コンビで、本作とは立場が正反対の『瘋癲老人日記』をあわせて見るとなおよし。愛人にネッキングしまくってるし。

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このレビュー書いてる時点で11人しかマークしていないのはなんでなんだろう。ソフト化されてるし、面白いからぜひご覧あれ!
「若尾文子出演作品で、しかも山本薩夫監督作品か」と思って、観た。 

そもそもの鑑賞動機は若尾文子だったが、「この作品の骨太な作風は、確かに山本薩夫監督作品だ」と感嘆するしかなかった。 
何故、こんな傑作を観ていなかったのか、反省しきり。 
学生時代から山本薩夫監督作品は、ほとんど観ているはずだったが、再確認が必要。 
山本薩夫監督作品の再検証をしようと思う今日この頃である。 

観終わってから確認したら、本作は、1964年キネマ旬報第7位であった。 
同じ年、あの『飢餓海峡』が第5位なので、相当レベル高い年だったのだろう。(選者の好みの傾向によるが。) 

傑作!
ルチア

ルチアの感想・評価

4.0
主人公のオヤジが悪くていいです。
・・・・が。
実際のところ、なんとなく悪役ではあるものの、犯罪してるわけでもなく、とにかく、札束で持って欲しいものは何でも手に入れて行くという冷酷非情なのがいいです。

私のようにココロが穢れ切ってると、こんなダークヒーローに共感してしまいます。
「別に悪いコトしてるワケじゃないやん」
って感じ。

まあ、ちゃんとした常識人の方が観たら「けしからん」主人公で、そんな主人公に共感してる私はクズなんでしょうけど、そうなんだから仕方ありません。。。

この映画のポスターに載ってるコピーが凄いです。
「女はセックスの捨て場か?子供は享楽の副産物か?部下は事業の消耗品か?」
要は、これをこのまんま実践してるオヤジの物語です。

ラストの事故は要るんかなぁ。。。と、ちょっと思いましたが。
青二歳

青二歳の感想・評価

3.7
石川達三原作。今見ても面白いテーマ。資本主義をここまで丁寧に描くか。資本家イコール悪の単純図式ではなく、資本家も闘争家も経済の論理で動いている。

モデルは西武創設者の堤。そのまんまやん!というレベル。大らかな時代だ〜若尾文子はお妾役。山村聡は怪演。