LEONkei

水で書かれた物語のLEONkeiのレビュー・感想・評価

水で書かれた物語(1965年製作の映画)
3.5
其々の人間関係の相関図を頭の中で描き始めると、非情で残酷な繋がりによって倫理観は崩壊する。

愛する事には全く罪はない。
もし其処に罪がある愛が有るならば、惨めで哀れで人間としての尊厳を捨てざるを得ない。

石坂洋次郎の泥々の暗愚なメロドラマも吉田喜重の世界観で描写すれば、其れが何故か物凄く透明な水面を覗き込む情趣を感じる。

しかし透明な水面の奥底で何処からともなく流れ込む真っ赤な液体は、全てを染めてしまう不穏な濃い血で相関図を混濁する..★,
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