りえぞう

恋のロンドン狂騒曲のりえぞうのレビュー・感想・評価

恋のロンドン狂騒曲(2010年製作の映画)
3.5
ロンドンを舞台に、熟年離婚した夫婦と、現在離婚の危機にあるその娘夫婦のシニカルなラブコメディ。豪華キャストも見どころ。
4人それぞれがぽっかりと空いた心の隙間を埋めるように新しい恋をするのだが、どれも訳あり難。今後の展開は観ている私たちに委ねられるのだが、アンハッピーであることは想像できるし、この苦みが人生の悲劇であり喜劇。
「人生は単なる空騒ぎ、意味など何ひとつない」
冒頭とラストにも繰り返し引用され、ナレーションが一歩引いた視点で語るシェイクスピアの名言が効いている。
名言といえば、離婚のショックで鬱状態となったヘレナに対して、娘のサリーが語る「薬より幻想が効く場合もある」も印象的。誰もが現実と幻想の中を行き来しながら生きているわけでして。
スピリチュアルにはまったヘレナママの恋だけはハッピーエンドであり、これまでのほろ苦い後味が残る中での2人のラストシーンは、あまりにも綺麗だった。
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