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人生の特等席のbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

人生の特等席(2012年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

良い話っぽい映画。悪くはないが、ちょっとご都合主義が過ぎる気もする。

脚本は割と粗いので、なんというか映画の説得力のほとんどをクリント・イーストウッドの存在感に頼っている印象。得意の頑固ジジイ役ということで文句無しなのだが、描かれ方がやや中途半端なので「グラン・トリノ」ほどの魅力は感じられない。この作りなら主人公を父親に絞るべきだったのではないだろうか。後半は特に娘の方が主人公になっていくので、話がどうもブレる。ジャスティン・ティンバーレイク演じるチャラ男と娘のイチャイチャシーンなんか別に見たくないし、それよりもっと親子の心情の変化を丁寧に追ってほしかった。というかこの親子、おじいさんと孫娘と言っても違和感がないと思うのだが。

終盤、たまたま近くにいた素人が凄いカーブを投げるところから始まるご都合主義連続の展開は、かなり飲み込みづらかった。父親も娘もそれぞれ捨てられかけた職場から戻ってほしいと言われるハッピーエンド。もうちょっと現実感のあるほろ苦い、けれども親子はわかり合えた、という終わり方のほうが良かったんじゃないかなぁ。
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