でくのぼうにあやかり「のぼう様」と呼ばれる成田長親(忍城城主の従兄弟)が、
城主不在時に石田三成勢に攻められるも、
農民を味方につけて、あっぱれな戦をするという話です。
ポテンシャルが高いのに色々と残念なところが多い作品です。
素材はとても面白いです。
コンピュータグラフィックス、特殊効果も頑張っています。
堤防の決壊のシーンなどは素晴らしいです。
しかし、演出面、脚本面でアチャーと頭を抱えてしまうところが多かったです。
役者の演技力のデコボコ感が半端ないのですよね。
軽薄で薄っぺらな色男の役柄を入れたくなるのは分かるのですが、
成宮がとにかくへたっぴで。
それを補える華や美貌やオーラがあれば良かったのですが・・・
華がないのは榮倉奈々にもあてはまります。
のぼう様役の野村萬斎も、序盤は演技過剰で、ちょっと見ているのがツラいです。
長親が「のぼう」を演じているという劇中構造を考慮に入れても、ちょっと浮きすぎています。
昔の「あぐり」の飄々とした演技が良かったので、どうしてこうなっちゃったかなと。
終盤はさすがの凄味を見せつけてくれますが。
三成役の上地は結構良かったです。冷徹な役がハマっています。
山口智充も与えられた役を十分にこなしてます。
鈴木保奈美も端役ではありますが、貫禄があり、見直しました。
佐藤浩市はさすがです。
あと、脚本の問題で、嘘臭すぎるというのがあります。
泥まみれの農民が城に上がれるように、のぼうが泥まみれになるとか、
農民の子供がおにぎりを渋るシーンとか、
必要ないどころか、しつこいと思ってしまいました。
その分を、リアリティや深みを与えるために使っていればなぁと。