ムーラン2 感想
続編というよりスピンオフ的なおまけのような作品でした。
自分の心に忠実に、というムーランのモットーが他人に及ぼす影響や功罪もテーマの１つっぽいんですが、それが深い物語性を生みそうで、生まない。
おまけだから、とでも言いそうな具合に、物語のテーマが深くなりそうなタイミングで結論をすぐに出して軽く乗り越えられてしまう。
スピンオフとしては楽しい作品ですが、前作ほどのアクションシーンも無く、素性がバレるバレないのサスペンスも無く、かといって前作の相対化するようなテーマ性もそれほど無い、ちょっとがっかりするような作品でした。
ギャグとかコミカルなシーンは流石のディズニーだしテンポはめちゃ良かったので、そういう所は良いんですけどね！
前作が「やっぱり女性も争いに参加しなくちゃ駄目なのか」という風にも見えかねない事に対して、今作は平和的解決法もあるというアンサーだったと思います。
政略結婚や夫婦の喧嘩など、争い以外で解決する。
争わずに、どう仲良くなるか？という事だったんですけど、シャンが死んだと思ったムーランが、彼の死を無駄にしない為に政略結婚を成功させようと自ら隣国に嫁ぎに行こうとするなんて、前作のテーマ性をひっくり返すような自己犠牲だし、それを助けに来るのが実は生きていたシャンっていうのも結局は男性が助けに来るという構造だし、
これなら前作の女性地位向上を目指した作品に対しての批判に屈服したようにさえ見られる程、何の意義も感じませんでした。
