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事故物件 恐い間取りのCUTのレビュー・感想・評価

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)
3.0
事故物件 感想

原作は芸人・松原タニシの実際に経験した出来事を基にした作品で、いわゆる「事実を基にした・実在の人物を基にした」作品の一つである今作。

「実際の出来事を基にした」系の映画は事実を基にしてる分、キャラや展開のインパクトだけが記憶に残りがちなので、作り手がストーリーをどうテリングするかが作品全体のクオリティを底上げするものだと思っています。


今作は、数多くのホラーを手がけてきた中田秀夫監督だけあって、怪異までの流れがスムーズ。ホラーにまつわる様々な手法を見慣れてる現代だから、というのもあって異常現象を体験する前後のドラマがすんなり入ってきました。



一軒目か二軒目の、元住人についての回想シーン。
シーンに入る瞬間暗転、BGMも途切れて突然違うトーンのシーンに切り替わる、そのブツ切り感がとても気持ち良い演出でした。

山野と中井、二軒目入ってすぐにカメラ回しとけよ…!って思うほどのめり込んだりはしました。

「恐い間取り」って、どんなんだよ。
っていうツッコミしちゃうぐらい良いフックではありますね!

四軒目に入った瞬間に気絶する山野。あれを亀梨さん本人がやってたとしたら、凄く上手い動作ですね。ダンスやってるからですかね!?笑




霊障が起こるまでの、登場人物を描くドラマパートや関係性のあれこれについても、中田監督の手慣れた演出でとても邦画的でした。
私はとても緩く感じました。他は特筆する程ではなかったけど、祖母との思い出回想シーンはちょっと嫌気がさしました。その後の展開に大きく関わる部分のきっかけでもあるし、なるべく鈍重にならないようあっさり描いていたとは思いますが、急に嫌でした。


ただそういったドラマパートも霊障パートも、スムーズな流れが本当に気持ち良くて、ラストの近年の和製ホラーの流れを汲むアクション級の展開で面白かったですし、大手のホラー映画としてしっかりバランスの取れた作品でしたので、おすすめです。
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