双我

パフューム ある人殺しの物語の双我のレビュー・感想・評価

4.6
生まれながらに優れた嗅覚を持つ一人のサイコパスの物語

いや、これ初見(約10年前)では気付かなかった事が沢山ある
当時手に取った時は故アラン・リックマン氏目当てでDVDを買いましたが、ほぼ台詞は無く、ナレーションが8割を占めるこの作品の中で、グルヌイユ演じるベン・ウィショーの演技はずっと脳内に張り付き、忘れなかった作品でもあり、ある意味良い作品に出会えたと10年後の私は思いました


前述した通り、作中は8割はナレーションで物語は進み、出演者達のセリフはかなり少ない作品で人によっては雰囲気映画と評価されてもわからなくもないし、出演者達の演技で持ったと言われても納得してしまうくらい

しかし個人的にこの作品は、"グルヌイユの初恋物語"であると感じている
彼はある少女の"匂い"に囚われ、香水造りに発展し、より素晴らしい香りの為に人を殺害していく姿はサイコパスなものの、そこには確かに"愛"があって…
最初に愛の香水を知り、少女の匂いに囚われ、愛の形に触れて、最後は…と考えると、彼がここまでに至ったのは環境の所為か、持って生まれた才能か、それとも…

最後のシーンとか滅茶苦茶悲しかった
その一方で何故か羽生蛇村の始まりを思い出してしまった事は謝る、ごめん()


歴史的に見ると当時のヨーロッパ諸国はどんな繁華街でもその辺に糞尿垂れ流しなので、そりゃ黒死病などの感染症は多いし、司祭が無能な所も所詮侵攻に使われた信仰(決してギャグでは無い!)だなって
ハイヒールやドレスの構造も、今考えると納得するし、既に下水管理しっかりしてた日本はまだマシだったんだなって()
双我

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