はる

パフューム ある人殺しの物語のはるのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらゆる「におい」が映像からたちのぼってくるような錯覚を覚えた。
香水や果物のかぐわしい香りだけではなく、ごみごみとした裏路地の悪臭、むせるような人いきれまでもが、生々しい現実感を持って迫ってくる。

皮肉なラストは、圧倒的な映像美と迫力に息を呑む。
このうえなく残酷なのに、どこか神々しさすら感じる光景。我欲のために罪を重ねた男が、「究極の芳香」に酔いしれた群衆の手によって、欲望の殉教者となる瞬間だ。
「至高の香水を作ること」に取り憑かれたグルヌイユにとっては、ある意味で本望だったのかもしれない。
はる

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