YasujiOshiba

リング0 バースデイのYasujiOshibaのレビュー・感想・評価

リング0 バースデイ(2000年製作の映画)
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ネトフリ。真夏のホラー祭り。深キョンの次は仲間由紀恵ちゃん。1998年の『ラブ&ポップ』はブイブイのかわい子ちゃんだったけど、さすがに貞子をやるとなると影のある演技になってるわ。セリフ回しはたどたどしいけど、それはそれ、役にあってはいるよね。

シリーズのなかでは一番好きかな。なにしろ劇中劇がおもしろい。この劇のもとになったのが『顔のない眼』(1960)というフランスのホラー映画の逸品らしい。未見だから、ちょっと興味がわいた。

小さいことだけど、仲間の貞子に『グリーンマイル』のコフィーのような力を与えたことが効果的。あらゆる力は裏腹なんだよねという目くばせになっている。だから仲間/貞子の美しい微笑みが、あの井戸のなかに閉じ込められることで、恐ろしい呪いとなってゆくわけだ。

あとダブルという発想も面白い。もう一人の貞子は、たぶん『悪魔の首飾り』の少女のイメージへのオマージュなんだろう。少なくともぼくにはそう見えた。成長の止まった悪魔のような少女と、はじめて恋をしようという年頃この少女。これはなかなか深い。闇がある。ちゃんとホラーになっている。

原作がどうなっているのか知らないけれど、『リング2』の水のイメージが海のイメージへと膨らんでいるのだと思うけど、海のシーンにはっとさせるものがほしかったといえば贅沢だろうか。森の小屋での貞子の奇天烈な身体の動きは、怖いは怖いんだけど、既視感があって残念。

とはいえ、L'Arc〜en〜Cielのエンディングまでの流れはばっちり。こう来るよなと思うように来たけれど、それはそれでいいよね。エンディング曲も違和感なくて、映画見たって満腹感あり。ごちそうさま。
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