たつなみ

トールマンのたつなみのネタバレレビュー・内容・結末

トールマン(2012年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

やっぱりパスカル・ロジェの作品って面白いわ。
とにかくこの人はミスリードが上手い。
そして恐怖の表現が本当にリアルで恐ろしい。
本作も裏をかかれまくって感情がグラグラ揺さぶられる。

善人だと思っていた人物が実は悪人だったという展開に驚かされるだけでなく、悪人が悪人となった理由か明かされてまた驚く。
そして切なさを残すラスト。
これは傑作だわ。

拉致・監禁が描かれる展開は『ゴーストランドの惨劇』っぽいけど、それをやっていたのは実は主人公という脚本には関心させられる。
子供を取り返そうとする母の愛情を逆手に取っている所なんかしたたか過ぎる。

主人公一派は一見すると狂った思想を持っているのかもしれないが、果たして子供たちが今のままで幸せなのか?と考えると納得してしまう部分もある。
こういう余韻を残す感じも大好き。

やべぇ。完全にロジェに心を掴まれてしまった。
これから絶対彼の作品を追いかけるぞ。