トールマンの作品情報・感想・評価

「トールマン」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

久々のリバーシムービー。

パスカルロジェの映画はホラー的売りで世に送られるが毎回割と社会派な作品であることが多いのだが、中でも今作は突出して問題定義を投げかけてくる作品。

最後までセーブザチルドレンをテーマにしているかのような顔をしているが実は社会構造の根っこにある政治の腐敗に全員が目を背けているように思えて恐ろしかった。

死んだ町、未来のない穴蔵での負の連鎖を断ち切る事を名目にヒーローの如く影で動く彼らの存在が明らかになる時、一転して町の全員が奏でる罵倒が真っ当な台詞であったにも関わらず嫌悪感に様変わりする。
既に子供と大人との狭間に立ってしまった彼女はラストに不安を募らせこちらに問いかける。

"間違ってないよね?"

閉鎖され生きる希望を奪われた人々が唯一生きる意味を与えてくれる存在を富裕層に奪われ、何が正義だよふざけんじゃねえ。
結局は巨大過ぎる権力に屈服して更に続く暗い未来を構築するのに手助けしちゃってんじゃねえか。
ただ小さくか弱い力しか持っていない俺たちに出来るのは目の前にある、目に見える希望に手を伸ばすしか出来ない事実、それがまた辛い。。。

また憎いのが冒頭のコールドロックの風景などでそれを映画的に伝え、でも全然主張せず自然にしているところ。本当上手え、いや美味えな。ご馳走様です。
未来を見ているように思え足元しか見ない錯覚の恐ろしさ、そんな怖さを感じた。

ホラーのクリシェをチラつかせしっかりと心を掴んだのちに見せる問題定義。パスカルロジェ、なんちゅう胸糞ムービーを作ってくれるんやお前は…天才か!
今作は異色扱いと見せかけて全然ブレてない、いつもの如く嫌な嫌な、地獄のような安定のロジェ作品でした。

監督初期の作品マザーは未見だけど、もしかしたら今作との繋がりが伺えるのかな?
他のレビューを見ていると円盤にはロングインタビューがあるみたいなのでそちらも是非見なきゃ!
牧

牧の感想・評価

3.3
『マーターズ』の流れでホラーを期待していたら違ったので混乱して最初はよく分からなかった。

大袈裟な演出も無く、ちゃんと観客に手がかりをフェアに掲示した上で、一気に視界が逆転する構成は見事だった。

監督の30分インタビューが興味深く面白かった。
Nancy

Nancyの感想・評価

3.4
マーターズのパスカルロジェ監督の作品ということで、マーターズのような強烈な作品を期待して観てしまったので、少し肩透かしを喰らってしまった。
ホラーの演出を混ぜ込んだミステリーという感じかな。
非常に考えさせられる内容の作品だった。

270/2021
Ayumi

Ayumiの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルを見るに、スレンダーマン的な都市伝説のホラー映画か?と思って見始めた。
序盤、小さな違和感に「これたぶん〇〇じゃね…?」と思っていると大方あたり、あぁ〜なるほどこういう話かぁとたかを括っていると後頭部を鈍器でどつかれたようなラスト。重い。重すぎる。
どんでん返しや胸糞映画は色々観てきたけれど、これほどサラッとしているくせに後味が悪くまとわりついてくるような映画は初めてだ。その割に胸糞悪いやろ〜?とドヤってもいない。

毒親がどれだけ罪深いか思い知らされた映画だった。
ひなた

ひなたの感想・評価

3.6
中盤から展開がゆっくりめになってモヤモヤしたけど結果面白かった。
切ない話だった。
anzu

anzuの感想・評価

4.0
都市伝説的なトールマンのストーリーかと思いきや、ホラーでもない。

ホラー展開はない。

けど、引き込まれる映画でした。

鉱山が閉鎖になり、寂れた街の子供たちが次々と行方不明になる。
街の人間は、誘拐犯をトールマンと呼んでいた。
冒頭は、子供達が見つからないとFBIが街にある診療所の女医ジュリアに話しかける。
ジュリアは、殴られたようなアザ、顔面血だらけ、ガラスの破片が突き刺さっており、治療を受けていた。

遡ること、3週間前‥から映画は始まる。

こんなラストになるなんて、全く予想外でした。
ラストシーン、街に住む少女ジェーンの最後の問いかけは観客に投げられたものだ。

考えさせられる一本でした。

2021年鑑賞 111本目

追記
DVD特典の監督インタビュー鑑賞
パスカル・ロジェ監督は、お茶目な少年のような語り口。
映画への愛を感じた。
トールマンは、問題提起する映画。行方不明なった子供達のポスターから起草したそうです。
私は、邦画「マザー」の元になった所在不明児問題を思い出しました。善か悪か、何が正解で、間違いか分かる人はいない。

ロジェ監督の作品は、二面性があり光の当て方で表層と深層が見える。
監督、作品、映画がより好きになった。

DVD特典っていいですね。
敗北と痛みの循環を断ち切るために、善い悪いを超えてどう対処するか。

最初は、「あれ? この人どういう関係? 何か見逃したかも。まあでもB級ホラーだし、あとで単純に解決してくれるでしょ」ってタカをくくってたけど、30分過ぎたくらいからの斜め上の展開に、さすがパスカル・ロジェだと脱帽した。
ホラーに見せかけて、裏に大きな思想や組織がある『愛』の物語なのはマーターズとかなり近い。

見終わったあとのパッケージの見え方が違う。

2021-279/字幕
Kei

Keiの感想・評価

3.7
Rinさんにお勧め頂き鑑賞。

マーターズがあまりに合わなかったのでもうロジェみねぇよ!って思ってたんだけど、お勧め頂いて良かった!!

嫌いなマーターズだけど画作りはいいなって思ってて、その画でしっかりしたサスペンスやってくれたので見ごたえがありました。

Rinさんもおっしゃってるとおり些細な事でも情報入れないほうがいい映画なので内容には触れませんが、先が予想できてしまうとがっかりしちゃう方なんかにはかなりオススメできるんじゃないかと思います。

展開の裏切りと情緒、両方がっつり味わえる一本でした。
yosuke

yosukeの感想・評価

4.1
これは面白かった〜
見てない人には絶対オススメ

まずは騙されたと思って見てほしい

しっかり騙されるけど


何度騙されたことか!!


街の人達が集まっているのもおかしいと思ったし
まさか保安官とグルなのとか

最初のデビッドのシーンもなんか違和感があったし
顔が四角すぎたところもあったけど


賛否両論あるだろうけど
これはありだと思う


以下 ネタバレ注意





子供をちゃんと育てられない親は
子供を育てる権利はないと思う
周りから見て子供が苦しんでいたり
満足にご飯を食べていなかったりすれば
取り上げてもいいと思う

もちろん無作為に取り上げたらだめだけど

二転三転してやっぱり自分の見た目の判断は正しかったことがわかって
安心した
街全体がゴミ屋敷みたいだったからな〜
退廃的な町で起きた哀しい事件。
お話が二転三転するんだけど、その度に哀しい事実がわかって見ていて辛くなる。
どんでん返しって普通は興奮するのに、この作品は「そんな…そんな…」って気分が沈む。種明かしされてこんなにスッキリしないなんて。
あっちもこっちもみんな悪い。正義と悪は紙一重なんだよ…うっ、、苦しい、、
きっと独身だった頃の私は、あの人物の行動に同情と賛同をしていただろう。
でも自分が母親となった今はどうしても賛同出来ない。もちろん気持ちはわかる。でも賛同は絶対に出来なかった。
この問題はすごく難しいよね、、(考えたらまた落ち込んできた)
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