マエストロR

レ・ミゼラブルのマエストロRのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
3.5
レ・ミゼラブルは往年の名作が数々あり,それらに触れた後だと感動は意外に少ない。本作単体で観ると充分力作なのだが,比べてしまうとどうしても見劣りする。

個人の嗜好の問題にすぎないのかもしれないが,本作は楽曲が弱いように感じる。優れたミュージカルには何年経っても色褪せない名曲が含まれているものである。『マイ・フェア・レディ』然り,『メリー・ポピンズ』然り,『王様と私』然り。しかし本作にそういう名曲があるかというと疑問である。ミュージカルの体をとりながら楽曲が弱いとなると,どうしても個人的評価は後退を免れない。

また,アマンダ・セイフライドは欧米だと「ドールフェイス」などと言って有難がられるらしいが,個人的には微塵も可愛く見えない。コゼット役の女優が可愛くないとどうしても作品没入度は後退してしまう。

さらに,ジャン・バルジャンとマリウスの微妙な対抗関係が本作では殆ど描かれておらず,不満が残る。

ただ,ヒュー・ジャックマンの歌の技量にはひたすら感服した。

※蛇足メモ
歌の技量の問題があるからジャン・バルジャン役はヒュー・ジャックマンで正解というのはさておき,ラッセル・クロウはジャベール役よりジャン・バルジャン役向きかとも思った。