Tsuneno

レ・ミゼラブルのTsunenoのネタバレレビュー・内容・結末

レ・ミゼラブル(2012年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

1990年に公開された「プリティーウーマン」の名シーン。
超金持ち役のリチャード・ギアが、コールガール役のジュリア・ロバーツを自家用ジェットでオペラに連れて行く。
リア充なヤサ野郎のリチャード・ギアは、こんな浮いた台詞を吐く。

"People's reactions to opera, the first time they see it, is very dramatic.They either love it or they hate it. If they will love it, they will always love it. If they don't, they may learn to appreciate it, but it will never become part of their soul."

ま、イメージとしてはこんな事言ってる。

「オペラを観た人、初めて観た人はとてもドラマチックだと言う。気に入る人もいれば、嫌いになる人もいる。もし気に入れば、一生の友となる。嫌いになれば、君の魂には決して響かない。」

で、ジュリア・ロバーツは感動の涙流してて、良かったね、君はレディーだウフフアハハみたいな感じになるわけなんだけど、リチャード・ギアとかジュリア・ロバーツはこの本題には関係がない。
 
関係ないけど、恐らく僕が受けた衝撃のイメージは、極めてジュリア・ロバーツの受けたそれに近いんじゃないかと思う。
 
正直、ミュージカルみたいなものをバカにしていた。タモリじゃないが、歌って踊りながら劇をするなんて、どう考えてもバカげているし、そんなものをわざわざ観に行って、尻の穴がムズムズする思いはしたくない。そう考え、結構好きな奥さんにいくら誘われても一度も観に行かなかった。
 
で、結果としてはそれが幸いしたのだろう。
物語の冒頭から、最期までずっと圧倒されながら過ごした。実に、158分もの間だぜ?
司祭に赦されたヴァルジャンとともに心が洗われ、ファンティーヌとともに無念の涙を流し、マリユスと、そしてヴァルジャンと同じくらいコゼットを慈しみ、それと同時にエポニーヌとともに失恋に苦しみ、そしてジャベールとともに正義の元で苦悩した。
 
ってのは言い過ぎだけどさ。
登場人物の感情の流入が凄過ぎて、完全に心を持って行かれたのは確か。そりゃあもう、圧倒的だった。ミュージカルって芸術の凄さに、映画って芸術の演出力がミックスされた本作の観賞後は、今まで経験した事のないレベルの放心っぷりだった。
 
というわけで、手放しで誉め称えたい。
これは是非観た方が良い作品。
僕も、死ぬまでにあと何度かは観たいと思う。
Tsuneno

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