rinrin

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日のrinrinのレビュー・感想・評価

4.4
ヨガ好きな先輩の太鼓判な今作、「宗教的な話に繋がる」と熱く語られたので、ずっと見たいと思ってたけど、タイミングが合わずやっと見ました。哲学好きとしても心して鑑賞。

ブロークバックマウンテンの映像美が大好きなので、OPの動物の命の可愛らしさと美しさは素晴らしく、さすがアン・リー監督だと思った。

神とは?宗教はなぜあるのか?という問いは最初から主人公は持っているが、映画を通してみて、確信的な台詞はなしに、視聴者に問いの回答(のようなもの)を体感させる映画作りは素晴らしい。まさに映像と構成により、説き伏せさせられなくても否がおうにも突き付けられるメッセージは圧巻。CGで表現されるがちょっと可愛い動物やトラにも意味があるのは映画らしかった。

この監督は、極限まで行ってしまい、悟ってしまった人と、普通の人(ブロークバックマウンテンに登場する旦那・子供思いの主婦、戦地の恋人を待つ地元の彼女など)との切なくもどうしようもない感覚の乖離がテーマなのかなと思った。だからこそ、ハッピーエンドがそうでないかは、鑑賞者の経験によるもので、面白いけれど考えさせられる。
rinrin

rinrin