このレビューはネタバレを含みます
【 心酔 】
あぁ、ホアキン・フェニックスだ。狂気的な存在感は圧巻の一言。独房や店前で暴れ狂う姿は凄まじい。ホアキンのあの笑い方がすごく好きなのだ。
映像もそうなのだが、カメラでの写し方が素晴らしい。ホアキン・フェニックスやフィリップ・シーモア・ホフマンが最高に映えていた。フィリップ・シーモア・ホフマンも良かった…。
ストーリーはとにかく奇妙。海の上で思想に触れてからアルコール中毒の男がマスターに仕えていく。あの得体のしれない化合液は色々な意味で“マズい”だろう。
マスターの術にかかってから紆余曲折するも、とことん上手くいかない人生。最愛の人がすでに婚約したと知ったあのシーンには少しだけ同情してしまう。それで結局マスターとは別の道に歩むのだが、新たな道で自分がかけられた術を別の人に試していたのは、また興味深かった。しかもベッドの上で。マスターの術はああいうふうにして広っていくのかと考えてしまう。
フレディの狂気的な振る舞いは、アルコールによるものなのか、マスターの術によるものなのか、結局最後まで分からずじまいである。いずれにしても“心酔”していたというのは正しい解釈であろう。
ローラ・ダーンの出演にもテンションが上がってしまう。