天豆てんまめ

フライトの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

フライト(2012年製作の映画)
3.8
「ハドソン川の奇跡」を観てから、本作を観ると、いかにトム・ハンクス(サレンバーガー機長)が立派だったかがよく分かる(笑)

設定は酷似しているが、こちらのデンゼル・ワシントン機長は完全にアルコール&コカイン中毒の「クロ」前提でのサスペンス強めの人間ドラマ。

ここまでダメな人間に機長が務まるのか(驚愕)というくらいのダメさ加減をデンゼルが人間臭―く演じている。

本作も「ハドソン川の奇跡」の一件にインスパイアされたらしいが、フィクション・エンタメに振り切っている。

冒頭からセクシーな恋人(フライト・アテンダント)と事に及んだ後のやさぐれた雰囲気が見事な「悪いデンゼル」=「悪デン」で、その時点で、有罪!(笑)といいたくなる。

ロバート・ゼメキス監督だけあって航空機不時着までのスリリング映像はさすが。

だけど、逆さ背面飛行なんてちょっとやり過ぎ、飛行術が凄過ぎるだろっ!

と悪デンに突っ込みながら、迫力の胴体着陸まで見入ってしまう。

何が真実か分かっていながら、周りを巻き込みながら嘘をついていく。そして酒はますますやめられない。当たり前に元妻や愛する息子からも見放されて、どうしようもない悪デンが、罪悪感に苛まれながらも、徹底的に追い込まれていく。

そしてそんな彼が最後どうなっていくのか、ぜひ見届けて欲しい。