ゆずきよ

ふがいない僕は空を見たのゆずきよのレビュー・感想・評価

ふがいない僕は空を見た(2012年製作の映画)
3.8
あなたへのオススメで表示され、なんで?となりながらも永山絢斗って結構好きな俳優さんだったなぁとしみじみしてしまったので鑑賞。

物語は、永山絢斗がコスプレ不倫を田畑智子と行っている。窪田正孝はコンビニでバイトしながら祖母の介護、原田美枝子は助産院を営みながら女手一つで永山絢斗を育てている。
そこから巻き起こる様々な人間模様。
先ず最初に言っておきたいのが、無駄なボカシで興醒めしてしまう。
これは配信だからなのか、本編がそうなのかはわからないけれど、別にそういうシーンが見たくて映画を観ているのでは無いので、そこは別カットで見せるとか、声だけで表現するとかやりようがあったと思う。
ボカすならわざわざ映す必要あったのかな?って。
お話はずっと絶妙に気持ち悪くて、指先の棘が気になって触り続けてしまう感じと似ている。
全員少しだけ汚れていて、少しだけ綺麗な所もある。
私も何故か意味も無く何かに反抗したくなり、職場でお昼にガーリックシュリンプUFOを食べました。エビ少ないよ。
中盤までは永山絢斗と田畑智子メインのお話。後半からは窪田正孝がどちらかと言えば中心になるのかな。
途中挟まれる小説の一節の様な演出好き。
この辺りからずっと胃の様子がおかしい。
それはきっとUFOの胃もたれだけでは無いはず。
ちょっとした小物の使い方や表現の仕方が上手くて、辛い辛いだけじゃない表現が素晴らしい。
ラストに関しては、少し強引にまとめた気がするけれど、実に邦画らしく話したい事が多い映画でした。

昨今本当に暗いニュースが続いていて、生き辛さって単語が良く聞かれます。
それは大なり小なり皆抱えていて、人と比べるモノでは無いし、感じ方もそれぞれ違ってくる。
だけどね、逃げれば良いんですよ。辛いなら。全てを投げ出してでも。
その場から物理的に逃げられるならすぐに逃げて、どうしても逃げる事が出来ないなら、コスプレだとか映画だとかアニメだとかゲームだとかスポーツだとか海外旅行だとか、必ず何処かに自分の逃げ込める場所はあります。
でも、不倫や薬や犯罪や彼方の世界は絶対にダメ。
それは逃げている様に見えて、自分で逃げ道を狭める事になってしまうので。
逃げる事が悪いんじゃ無い、逃げない事も悪いんじゃ無い、ただその選択肢を無くしてしまう事がダメなんです。
私達に出来る事は結局生きる事だけだけど。
それを強く感じさせてくれた映画でした。
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