このレビューはネタバレを含みます
「博士の異常な愛情 または私は核の驚異に気を揉むのはやめてそれを利用してしまおう。そうだ、美女と地下でヤリまくろう」
これです。世界の真実。
「ドント・ルック・アップ」はやっぱり現代版「ドクター・ストレンジラブ」だよなぁ……と、改めて。
世界は一部の人間……いや、たった一人の人間にでさえ、私物化されてしまう可能性を秘めているんだ。いつだって市民は選民思想の餌食になりかねない。
そんなオチが待っているのは共通しているもんね。
本来悲しいはずの結末に「また会いましょう」が流れるBGMの使い方も、これまた似ている。
一番好きなのは、
「一発逆転で核爆弾の投下に成功してしまう」という悲劇を描いた一連のシーン。
よくある映画とはシチュエーションが逆転しているシニカルさがたまらなかった。
緊迫感のない会議のシーンは、すべての皮肉が面白かったですね!
アメリカ政府が「アメリカ機を撃ち落としてくれ」とソ連に頼むあたりは、不謹慎ながら笑ってしまった。
あの中では一番まともに見えた大統領ですら人の命はゲーム感覚。子供の頃にアリンコをピーンと指で弾き飛ばした記憶の如し。