エッジの効いたブラックコメディでありつつ、時間制限のサスペンス要素を入れて、基地、飛行機、ペンタゴンの3場面と電話の演出だけで盛り上げる。愚かな働き者が、手際よいカット割りと共に、軍隊の規約に乗って破滅に向かっていく。酷すぎて笑える現実。人間不信＝機械化が人間の首を締める。悲劇的なシーンにポップスを流す手法はいつからあるのだろうか。
空軍の将軍、飛行機のキャプテン、基地で大佐と小銭のやり取りをする陸軍将校と、みんなアメリカ的な馬鹿であり、性欲に取り憑かれた男たち。オープニングは空中セックス。ジョンウェイン的なヒーローが、核爆弾にまたがって死んでいく。ストレンジラブ博士の優生思想。地球の危機にも仕事を続けるソ連大使。76点。
