正真正銘のゲイであるクラスにとって、ジョニーはほんのつまみ食いだったのか。
男だと思って_。
時折、カフェの窓越し、ガラス越しに悲しげな顔を向けるジョニー。それがすべてを物語っている。女性としての自信のなさに、いつも待っているだけのジョニー。
そんな彼女に前に現れたクラスという男。直感的に似たようなものを抱いていると感じ、惹かれる。
それはクラスの方でもそう。ゲイであることに悩む彼は美しいジョニーの中に、今まで出会ったことのない“ある可能性”を見出した。
ひょっとしたら、生まれ変われるかもしれない_。
しかしそれはあまりにもはかなく、消え去った。
追悼という贔屓目がなくても、映画としての完成度は高くないとしても、大好きな作品。
それはジェーン・バーキンという稀有な才能が出てるから。
彼女の存在が、あらゆる短所を補ってあまりあるから。