アキラナウェイ

人生、ブラボー!のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

人生、ブラボー!(2011年製作の映画)
3.8
随分前からヴィンス・ヴォーン主演のハリウッドリメイク版(2013年公開、タイトルは「人生、サイコー!」)の方に、クリス・プラットが出ていると知って、本当はそちらが観たかったんだけど、何でもオリジナルから観るのが筋というモットーなので、先ずはこちらから。ただ、僕の契約しているサブスクではリメイク版が見当たらないんだよなぁ〜。

42歳独身で家業の精肉店で働くダヴィッドは、20年前に"スターバック"という偽名で693回の精子提供を繰り返していた。その事で彼は533人の子供の父親であると同時に、その内の142人から遺伝子上の父親の身元開示を求める訴訟を起こされてしまう—— 。

えーと。

暇なの??

693回、533人、その内の142人。
いずれにしても途方もない数字。

しかしダヴィッド本人は父親として名乗り出る気は毛頭なく、恋人の妊娠も素直に喜べない、ただサッカーを愛する平凡な男。

友人である弁護士アボカットに弁護を任せ何とか事なきを得ようとするが、142人の子供達のプロフィールを手にした事で、子供達1人1人の今の暮らしを見てみたくなり…。

サッカー選手になっていたあの人も
地下鉄の渡り廊下で歌う彼も
役者を夢見るアイツも
ドラッグ中毒で苦しむあのコも
皆んな皆んな
スターバックの子供達。
そして皆んな皆んなが兄弟姉妹。

世の中の人達はヘンタイだなんだと言うけれど、生命を授かった当の本人達が、今の人生に満足していて、生物学的父親に感謝しているのならば、スターバックはヘンタイなんかじゃない。

「Starbuck」という原題の方が絶対良い。

じんわり心が温まる、カナダ産のハートフルコメディ。