あさのひかり

世界にひとつのプレイブックのあさのひかりのレビュー・感想・評価

4.5
パッドの心のバランスを壊してしまって苦しむつらさ。本人は必死で良くなりたくて、周りともうまくやっていきたくて。でも、病気のせいでおかしくなってしまった言動が、周りを苦しめてしまう。だから、まともに相手にしてもらえなくて克服するしかなくて。そんな辛い表現がリアルで前半はもう本当に観てるの苦しかった。

ティファニーもう出て来てからずっと、こんな話になるのは想像出来てたけど。彼女も似たような辛さを抱え克服してる(途中?)から、パッドの苦しみを理解してあんな風に行動することが出来たし、彼女にとっても、その過程は苦しかっただろうけど、大事なものを手に入れるのに必要だった。

周りの人達の描写も良かった。友人の教師もきっかけあればパッドみたいになるくらい大変そうだったし、パッドを取り締まる警官が「いや、お前の言動もヤバくない?」と思えたり。アメフトの試合の時だって、「いや、この場合でもパッドだけダメってなるのおかしくない?」とか。そういう描写も良かった。

お父さんなんだか危うい感じ(あの気質がパッドに受け継がれた?と思わなくもない)だけど、家族の愛ある感じ、でも、空回りしちゃう(パッドの無茶をユーモアで受け止めようとしてるの本当好き)のもうまく描かれてて。

これ色んな意味で生きる過酷さと人の愛とがきっちり描かれてていい作品、きっとまた繰り返し観たくなる映画だと思う。
あさのひかり

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