このレビューはネタバレを含みます
幼少期を孤児院で共に過ごしたアリーナとヴォイキツァ。
成長した2人。
修道女として生きるヴォイキツァの元に一緒に暮らそうとアリーナがやって来た。
2005年にルーマニアで実際にあった事件を映画化。
神父に忠実で従順な修道女たち。
純粋に信仰する心が盲信となり1人の人間を死に追いやってしまった。
人里離れた場所で現代の生活とは無縁の暮らし。
電気も無く、いまだ水も井戸からという生活。
そんな中で神を心から信じ、ひっそりと暮らす人たちの中に嵐の様にやってきて引っ掻きまわしたアリーナ。
そんなアリーナに観ていてイライラはしたが、神父たちの盲信のあまり考えられない様な事をしてしまう事に驚いた。
同性愛者として変わってしまった2人の心の違いも描かれている。
もしかしてアリーナは宗教にハマってしまった愛するヴォイキツァを救おうとしたのか?
ラストシーンが強烈に残る。
何でも無いシーンの様に見えるが、栄えているであろう街の中を警察に向かう神父とシスター達の乗る車が停車する。
運転手たちのセリフ、街中の喧騒。
そしてフロントガラスに浴びせられた泥水がストーリーのラストを物語っていた。
クリスティアン・ムンジウ監督作品