タコさんウィンナー

クロニクルのタコさんウィンナーのレビュー・感想・評価

クロニクル(2012年製作の映画)
3.7
フェイク・ドキュメンタリー風の超能力映画。中二病パワー全開の暗い青春映画…といったところでしょうか!(「漆黒の翼……!」みたいな感じというよりは「エヴァ」的な意味での中二病です)
超能力を得た冴えない高校生の物語はまるで「AKIRA」。または「もしスパイダーマンにベンおじさんがいなかったら」とでも表現したらいいでしょうか。「大いなる力には責任を伴う」というセリフをやたら思い出してしまいました。
超能力でクラスのイケイケのやつと仲良くなり、超能力でいたずらをして遊ぶ主人公。前半の高校生特有のナルシスト感や男子のアホ感はかわいいです。仲間になる友達は大学一年生みたいなめんどくささもあったりして……(すぐ哲学を引用するとかですね笑)
しかし、超能力で女の子にもモテて最高!と思ったのもつかの間、力が肥大化して大変なことになっていきます…本当後半は暗かったです。

この映画は超能力を普通の高校生が手にしたら、という状況をリアルに想像しているところが一番の特徴でしょうか。超能力はばりばりのフィクションなのに妙にリアルなのが怖かったです。
フェイク・ドキュメンタリーテイストも面白く、クライマックスシーンはテーマパークのアトラクションのようでスリリングでした。

なかなかヘビーな映画ですが、前半は楽しいパートもあるし、超能力描写もかっこいいし、超能力ものが好きなら新しいタイプの映画として、一見の価値があるんではないでしょうか…!