nagranyde

茶の味のnagranydeのレビュー・感想・評価

茶の味(2003年製作の映画)
3.6
皆話してる会話がものすごく自然で、演技してる感じがしない。どこにでもあるような感じの。こんなに可笑しくて掴めない世界観なはずなのに、切り取ってる世界は普通なんだよね。

流れる音楽が一々良い、途中で誰かが歌ってもまぁ上手い、随所に出てくる脇役の人達も豪華だし、とにかく神は細部に宿るとはこのこと。

皆誰しも何らかのモヤモヤはあるけれど、何かに夢中になってるときが一番その霧が晴れるときだし、何かに夢中になってる顔って皆良い顔してるんだよなぁ…ってこの不思議な映画を観て的外れな感想抱いてたんだけど、おじいちゃんの絵のシーンで「自分の感想合ってたのかな?」って思った。

後半につれて目立ってたシュールを段々引き算したことで、心のしこりが消えた後のじんわりとした感じというのか、カタルシスとも違うけど何かが昇華された後のふわっとした多幸感がより奥まで効いてきた。

結局何で「茶の味」ってタイトルかは分からないんだけどまぁいっか、面白かったし。
nagranyde

nagranyde