rage30

恋は命がけのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

恋は命がけ(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

霊が見える女とマジシャンの男のロマンスを描いた作品。

冒頭から呪怨チックな幽霊が出てきて不安になりましたが、いや~予想以上にラブコメとして面白い作品でした。

個人的に気に入ったのは、ソン・イェジン演じるヨリ。
ちょっと暗くて影のあるキャラクターが、今までにないラブコメヒロイン像で新鮮だったし、段々と彼女の魅力が伝わっていくという構成も上手い。
単に暗い人だと思ったら、独特なユーモアや世界観があり、笑顔が可愛い事にも気付かされたりと、チョグが惚れてしまう気持ちがよく分かりました。

一方、男側のイ・ミンギ演じるチョグは、よくいるお調子者のイケメンという感じ。
幽霊にビビったりと、終始情けない調子で描かれますが、その反面、彼が男らしさやマッチョさを誇示する場面はないんですよね。
裸にするのではなく、裸にさせられたり、男の見せ場たるバッティングもへなちょこだったりと、男らしさをキュートに解体している。
ラストなんか、チョグがマジックで悪霊を撃退させても良いと思うんですけど、彼をヒロインを守るヒーローではなく、あくまで彼女を隣で支えるパートナーとして描く辺りも、現代における理想の男性像を描いている様に思いました。

霊の見える女と見えない男という事で、冒頭から互いの見えているものが違っていてる2人。
それ故のちぐはぐなコミュニケーションも面白いのですが、男女がお互いの実像が見えてない事のメタファーにもなっていて。
特に見えない方だった男の方が、女の真の姿が見える様になる事で、惹かれていくと。
しかし、相手の全てを見るという事は、良い部分だけでなく、その人の悪い部分も見るという事でもある。
それも含めて、彼女を愛せますか?という問いかけは、普遍的な恋愛の本質を描いている様に思いました。

某サイトで高評価だったのも頷ける、ラブコメ好きにオススメ出来る作品。
特に先進的で変わったラブコメが好きな人には是非見て欲しいですね。
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