白石和彌監督作品。
予備知識なしでの鑑賞。
実際の事件をもとに制作された映画。
同時期に同地域で起きた数件の殺人事件の容疑者が、刑務所から出版社の記者に提供した真実の情報…それは想像を絶するほど凶悪な犯罪だった。
そして、容疑者に殺害指示を出していた「先生」と呼ばれる男の存在…のうのうと生きているその男への復讐のため、必死に記者に情報を提供し摘発を促す容疑者。
人を人とも思わずに、金を稼ぐために利用しては殺害する悪人たち。
次第に当時の悪質で生々しい殺害方法を知るうちに気の毒な被害者を弔う気持ちが芽生え、記者自身にも「先生」に言いようのない凶悪な気持ちが…。
役者陣の演技が素晴らしい。
暴力的なシーンの連続で、本当に怖かった。
面会で殺人を犯したことを反省したと話す容疑者…刑務所内でキリスト教に入信し、俳句を習うなど「生きていることを実感できるようになった」と嬉しそうに話す彼に、何人もの被害者を想うと怒りが込み上げてくる記者…それまで寡黙で静かな山田孝之演じる記者が怒るシーンが印象的だった。
