しんどすぎる。白石和彌の出世作で有名な作品だが、漸く鑑賞した。凄く優れた映画であることには間違いないけど、胸糞すぎてあまり好みではなかった。高齢者介護などのテーマが重すぎる。
ジャーナリストの藤井(山田孝之)が死刑囚である須藤(ピエール瀧)の告発を取材して、事件の首謀者の先生(リリーフランキー)に迫っていく内容。凄惨な殺人事件を起こした須藤と先生は"凶悪"だが、その一方で彼らの死刑を誰よりも強く望む藤井も"凶悪"だ。それだけでなく、義母を老人ホームに送り込む洋子も"凶悪"だし、もはや皆が"凶悪"だ。わかりやすい"凶悪"とわかりにくい"凶悪"の対比構造がいやらしい。
暴力描写もひたすらに陰湿で、ピエール瀧とリリーフランキーは凄かった。おじいちゃん殺すシーンは本当に気分悪い。
ラストシーンでアクリル板に写る藤井の顔の演出は見事。その後、暗転して画面に写るのは自分の顔。人間の凶悪さを炙り出した快作。
まあ、これ見るなら『マインドハンター』見るかな。
