mitakosama

桃太郎 海の神兵のmitakosamaのレビュー・感想・評価

桃太郎 海の神兵(1945年製作の映画)
3.1
桃太郎の海鷲との連作。尺が1時間強ある立派な長編映画。とはいえ、長くなったぶん冗長になった印象もある。

序盤は休暇で田舎に帰省していた犬猿キジの話。
水兵さんは子供に大人気。武勇伝を聴かせる猿。

滝壺に落ちそうになる子供をアクロバティックに助けたりもする。けっこうアングルが凝ってる。今見直すと白蛇伝より構図が複雑なんじゃないか?

中盤は南国のどこぞの島での駐屯。伐採して丸太小屋を建てたりする。
現地人ならぬ現地動物に読み書きを教えたりするのが「アイウエオの歌」ただ♫あいうえおかきくけこ♫ってだけの歌詞。これを50音やって濁音もやって「わゐうゑを」まで歌って、もう一回「あいうえお」から始まったのは笑ったなぁ。
2コーラスをフルで歌いきったからね(笑)

終盤にやっと戦闘。パラシュートで降りたち、鬼と言う名の角の生えた米兵を蹴散らす。
パラシュートを畳む所からすごい細かく描写してる。軍事描写は本当に丁寧に作画してるわ。
フニャッフニャな米兵が停戦を申し入れるが、桃太郎は「全面降伏か徹底抗戦だ」と勇ましく恫喝するぞ。
うーん。まさにプロパガンダ。

全体的には変な所だらけなんだが、たまにドキッとするような上手い作画や演出があって唸らされるから悔しいな。
mitakosama

mitakosama