リチャード・リンクレイター監督×イーサン・ホーク×ジュリー・デルピー。この3人が20年前に出会えて本当によかったと思っている。
「ビフォア・サンライズ」「ビフォア・サンセット」と9年越しずつ計18年に渡り、リアルタイムで観てきた私は、
「ビフォア・ミッドナイト」の物語の時間の経過の哀しさが実に重く感じられる。
1作目のトキメキ
2作目の再会の切なさ
3作目の現実。生々しさ。倦怠。そして、、覚悟。
確かに脚本も台詞もとってもリアルなのだが、その現実の痛々しさを肌身で感じさせながら、人生の時間の移り変わりの容赦なさをつくづく痛感するのだった。
ギリシャの美しい風景の中、人生の先輩たちとのワインと料理に舌鼓身を打ちつつ交わされる会話が魅力的、素晴らしい示唆、沁みる台詞がたくさん出てくる。ああ、こういう風に年齢を重ねて、仲間と楽しめたら素敵だろうな。
2人の大ゲンカの迫力も、もう、そこまで行ってしまったら、後戻りできるのか~、、変化球ジェシーと直球セリーヌの攻防凄すぎて、もう、どこにも逃げ切れない。
しかし、男はロマンティック。いつまでも夢見て。
女はリアリスティック。シビアに今を直視して。
といいつつ、あの頃のロマンを、輝きを、2人のマジックを、モーメントを、彼女の面影に、自分の内面に、無理やり探そうともがく永遠のモラトリアム・ボーイ=イーサン・ホーク、、
大好きだ。
そして、人生にユーモアは不可欠なことも教えてくれた。
人生の傍らに常にビフォアシリーズがあった。
これからも続編があることを楽しみにしてる。