みゅうちょび

シタデルのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

シタデル(2012年製作の映画)
3.0
惜しい…本当に惜しい!
アイスランド映画だからか…この独特な重苦しさがなんとも言えなく凄くいいです!オススメ!Gyao!無料配信終了間近。

出産間近の若い夫婦が老朽化したマンションから引越すその日。夫のトミーが階下で用を済ませエレベーターで11階の部屋の外の廊下で1人待つ妻を迎えに行くが、11階まで来たところでドアが開かない。妻の様子を見ると、突然フードをかぶった3人の子供の影が現れ妻の方へと近づいて行く。突然妻を襲う3人。エレベーターは無情にもそのまま降下。1階から階段で妻の元へ急ぐが時すでに遅し、妻の腹には注射器が深々と刺さり瀕死の状態で助けを呼ぶ。
トミーはその経験から重度の広場恐怖症になり外出もままならない状態になってしまう。
やがて、1人の神父の言葉をきっかけに妻を襲ったフードをかぶった子供達の影に怯えるようになる。

中盤まで、特に大きな事件は起こりませんが、とにかくこの広場恐怖症と闘う主人公を見ているのが辛い…そして怖い… ジワジワじわじわ何か悪いことが近づいてる感じが凄くいやーな感覚です。
ずーーーっと悪い予感がしてる感じ…
ただ、あまりにも淡々としているので退屈に思う可能性もあるかも… でも、とても丁寧に作り込まれていて好感が持てます。

主人公の妻を襲った子供たちが一体何者なのかが中盤以後少しずつ明かされ、ドラマティックな展開ではないのですが、なかなかユニークで面白いです。

冬の寒々とした景色と、荒れ果てた小さな町の老朽化した大型マンションとそこに巣食う不気味な子供達…

ホラーでありがちな安っぽい脅かしがあまりないので、途中「もしや、この映画は主人公が広場恐怖症を克服するというただのドラマなのか?」とも思うようなリアルさがあります。その後に続く奇怪な話の展開も本当に起こっているのか?それとも妄想なのか?まるで主人公の悪夢の中で起こっていることのような…
なんとも忘れがたい雰囲気を持った感性豊かな良作ではないかと思います。
みゅうちょび

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