horaAya

シタデルのhoraAyaのレビュー・感想・評価

シタデル(2012年製作の映画)
3.5
どこまで現実なのかが曖昧な作風が不思議な余韻を残す子供怖い系ホラー。目の前で妻が子供たちに殺されるところを目撃した主人公が生まれたばかりの子どもと2人で襲いくる恐怖に怯えながら暮らす様子を描く。

主人公が覚悟を手にする物語なんだろうなって思った。貧しい暮らしの中で子どもを育て良い親であり続けなければならない不安と重圧。象徴としてのマンション。そして象徴としてのフードの子どもたち。恐怖を外部へと求めるような物語は、結局は自身の内面の奥底へと踏み入っていき、その元凶を乗り越えてぶち壊す。外を見なければ(見えなければ)恐怖なんて存在しないという幻想は打ち砕かれ、内に存在していることに気づくからこそ覚悟が手に入る。
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