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まぼろしの市街戦のditaのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
4.0
@シネ・ヌーヴォ   

いやはや面白かった!カルト映画じゃなくて想いが伝わる真っ直ぐな映画やった。狂気vs狂気の行方に唸りつつ、生の歓びと人間への嘆きが心に押し寄せてきて途中でわけもわからず泣いた。外の世界にいる人と精神病棟にいる人、心を病んでいるのはどっちだ。

反戦映画って色々あって、残酷さや理不尽さをそのまま描く手法ももちろん胸に迫るけど、わたしはやっぱりこういうのが好きやなと改めて思う。精神病棟にいる人たちの解放感をそのまま受け止めてよいのかと思ったりもしたけど、あの人たちにはそんなこと関係なくて、ただ自由を楽しんで、好きな格好をして、踊って歌って、それって誰もが望むことやし、同じ狂うなら明るいほうにっていうのをそのまま受け取ればよいのかなと。でもやっぱりどこかから見ている目線には戦争への怒りや嘆きが確実に含まれていて、なんだかすごい作品やなぁと。どことなくクストリッツァと同じ目線を感じた。

まぁなんやかんや言うても、ハートのキングがオアシスのノエルに似てるなと思ったのも束の間(眉毛だけやんけという突っ込みは受け入れる)、わたしの心はコクリコちゃんの可愛さと胸の谷間にすっかり奪われたのは秘密。
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