エリオット

まぼろしの市街戦のエリオットのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
4.3
フィリップ・ド・ブロカが「リオの男」「カトマンズの男」とジャンPヴェルモントを主役におしゃれでアクロバティックなコメディを作った後に撮ったシニカルファンタジー反戦コメディ

学生のころ大阪の読売テレビ(日テレ系)という局で「CINEMAだいすき!」という毎回ある一つのテーマに沿った作品を5・6本選んで深夜に1本ずつ放送する不定期の番組があって、この作品はそれで初めて見たが、見た後は夜中に余韻に浸ってしまってなかなか寝付けなくなった記憶がある。
今回はそれ以来の、それも劇場鑑賞ということで感慨深い。

デジタル修復版ということで街並みや特に原色系を好んで身に着ける登場人物たちの衣装がとても色鮮やか。
特に黄色のチュチュのようなドレスを身にまとい同色の傘を差しながら建物と建物の間をサーカス団員のごとくスイスイ綱渡りするジュヌビエーヴ・ビジョルドのなんと可愛らしいこと!

とにかく何々?とみているうちにまともな世界とまともでない世界が逆転するさまが非常に鮮やかであっと驚く。
このゆるふわの祝祭感とひねりのきいた展開、そして強烈なメッセージ性からすれば、本作を偏愛する人が多いのもとても納得できる。