TAK44マグナム

サイレント・ウェイのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

サイレント・ウェイ(2012年製作の映画)
3.5
ありゃりゃであります!


「ブレードランナー2049」において何が素晴らしかったかと言うと、ジョイ役のアナ・デ・アルマスが世界中に知れ渡ったことじゃ無かろうか。
そんな皆んな大好き、大きなお目々もキューティな女優さんのアナ嬢が、芸能界でいっちょうのし上がってやろうかい!と古風なゴーゴーをサイケなバックで踊り狂うオープニングだけなら間違いなく1兆点の価値がある!
誘惑の視線も怪しく、クネクネと動く肢体は最高!
あまりにも突飛なので面食らうオープニングだけれども、これは普通のシチュエーションスリラーなんかじゃなく、古いモンスターが出てくるおバカ映画なんだよと最初から宣言しているんだと思います。

普段は一部のマーシャルアーツ映画を除いてキャスト目当てでは映画を観ないのですが、アナ嬢がヘソ出しでポツンと立っているジャケ絵に釣られての鑑賞です。


ホテル(何でもいいけどHOTELの看板でホテルと字幕だすことは流石に必要なくない?)で客室係として働くローサはプロなダンサーを目指してオーディションを受けたりしてます。
最終選考に残った日の深夜、自宅の洗濯機が故障したので、仕方なく近所の24時間コインランドリーに寄ったローサ。
そこで出会ったイケメンのガブリエルに心を許したローサは束の間の会話を楽しみますが、彼がトイレに行った間に、ガブリエルこそが巷で話題になっている殺人鬼なのでは?という疑いをもちます。
ローサの態度から察して本性を現したガブリエルを外へと追い出したローサでしたが、人通りもない路地のコインランドリーに籠城するほかなく、携帯も壊してしまい、家で待つ姉のローラの事も気がかりでした。
更には不眠症用の薬を飲んでしまっていたため強烈な睡魔も襲ってきます。
いつのまにか雨が降り始め、ガブリエルの姿は消えていましたが油断はできません。
はたして、ローサは殺人鬼の魔の手から逃れられるのでしょうか?


なんて粗筋だけ追うと、いくらでも転がっているシチュエーションスリラーじゃないのと思われるでしょう。
実際、ラスト10分ぐらいまではそうなのです。
何の変哲も無い、キチガイに狙われて密室に閉じこもった女子のお話でしかありません。

だが、しか〜し!
もう絶体絶命!
こりゃ詰んだ!と、どうするんだろう?と思っていたら、あなた!
突然のジャンル変更でましたよ!
いやいや、事前情報なしで観たので驚きましたが、あとで色々と調べたらトム・サヴィーニが股間に銃器仕込んでる映画がおんなじだと書いてある感想がたくさんあるじゃないの(苦笑)

これはマグナムを喜ばせる案件でしたよ。バカで好きだなぁ!
深夜1時から観始めましたけれど全然眠くならなかったし。
世間的には酷評の嵐が吹き荒れてますが、ガブリエルが「もうどうにでもなれ」と自暴自棄になるところなんて笑いすぎて涙がでちゃいました!
また、そこのグチャグチャのネバネバ具合も最高でしたよ。
おまえは巨神兵かっての!

コインを口に突っ込まれて死ぬってのもどうなの。
基本、あんたら不死身じゃないのか?
と言うか、何故、浮浪者のオッサンはいきなり漢気を発揮したの?
なんでまた戻ってきた?
ヤク中の男は何だったんだ?

何のこたえもありはしませんが、おバカ映画ですので良しとしましょう。
アナ嬢が可愛ければそれで許されるのです。
最後には下着姿になってくれるからOKなのであります!
ただし、メイクはローサ役よりももう一役の方がナチュラルで良かったな。
なんで最後までお姉ちゃんの顔を映さないのか、すぐ分かっちゃうから殆ど意味ないんですけれどね。

ちゃんと攻防戦を伏線ありで繰り広げているのでそんなに文句は無いのですが、無駄にスプリットスクリーンを使ったり、脇役の踊っているところが妙に長かったり、さすがにあれだけ騒げば誰か気づきそうなものなのにすぐ側にいるお姉ちゃんでさえ気付かない等々、細かい粗を指摘し始めたらキリがありません。
でも、心情の変化に伴って電灯が消えたり、ホテルの上司の顔をわざと映さず、夢の中でガブリエルの顔にして(大脳分裂みたいになるよ)恐怖心を煽ったり、細かい思慮も(たぶん)ありましたよ。
また、ネオンの色彩や、陰陽を効果的に使った絵面など、主に照明関係は非常に好みでした。
タイトルの出方も格好いいぞ。

「どんなに嫌いな元カレにも、嘘でいいから優しくしておこう」と言う教訓を学べるし、なんと言ってもアナ・デ・アルマスのファンなら必見の珍作。
尺が短いのでお気楽に空いた時間で観られますし、そんなに構えないで「茶番な映画」だとハードルを下げるのが吉ですね〜。


NETFLIXにて