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ライオンの翼のmhのレビュー・感想・評価

ライオンの翼(1939年製作の映画)
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独裁国家ドイツと自由な国イギリスを比較するという趣向のドキュメンメンタリーかと思いきや、後半になったら英国空軍(RAF)についての物語もはじまるという変な構成のプロパガンダ映画。
イギリス側は「無敵艦隊(1937)」で映画表現の自由を謳っているのに、その比較対象がレニ・リーフェンシュタールの「意志の勝利(1935)」をはじめとしたナチ党のプロパガンダ映画なのはちょっとずるい。
後半のドイツ軍の軍艦への爆撃はなかなかの迫力だった。司令部で行われている戦況分析のテーブルのことなんていうのかわからんけどそれを詳しくやってくれる。こっちのテーブルから、拡大図にあたるこちらのテーブルにコマを移すのとかもやってた。
バトルオブブリテンにもダンケルクにも触れんのかと思ったら、この映画のほうが先だった。
ので注目は阻塞気球のくだりだね。ワイヤーを垂らした阻塞気球が爆撃機の進路を阻んでいる(阻塞気球の上に出ると高射砲の餌食、および、爆撃には向かない高度となる)ため、ドイツはイギリス(主にロンドン)に手を出せないという設定なのだった。ちなみにロンドン大空襲が1940年9月7日‐1941年5月10日とのことなので、やっぱりこの映画のほうが先。
阻塞気球が浮かんでいるシーンはあちこちの戦争映画で見るけど、いちいち説明はしてくれない。それはここでやってくれている。
英独開戦二ヶ月でこれ作ってるのもかなりすごい。
面白いわけじゃないけど、見ごたえはあった。
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