ドライヴやネオンデーモンで知られるニコラスウィンディングレフンの作品にして、トムハーディの出世作。
暴力的な男の刑務所生活を描いており、“21世紀の時計じかけのオレンジ”とも言われた作品です。後のベイン役に繋がったトムハーディの演技は、確かにアレックスを真似しているように見えたし、音楽の使い方もキューブリックを意識している感がありました。イギリスらしいブラックコメディも、キューブリックっぽかったかな。しかし似ているのはそのくらいで、基本はレフンらしい派手なライティングと、テクノ調の音楽を使用して成り立っています。オンリーゴッドやネオンデーモンに比べると、見やすく分かりやすいストーリーでしょう。思いの外、バイオレンスも控えめで良かった。
トムハーディの目が据わってて、迫力のある演技を見せてくれます。トムハーディ自身も昔は素行が悪かったって言うし、ブロンソン役とかなりハマっていました。それにしても、“21世紀の時計じかけのオレンジ”に出演していたトムハーディをベイン役に使うなんて、ノーランはキューブリック好き過ぎますね。