なんでこの作品をクリップしていたかすら思い出せない…。
仏像盗難が相次ぐ京都。寺の娘である紅子(井口裕香)は何者かに両親を惨殺される。身寄りのない彼女を両親の友人である円汁(寺田農)が引き取るのだが、紅子は円汁の寺で盗まれた仏像と融合した両親を発見してしまう。すべてを知った紅子は両親の仇を討つため、修行の末、仏像と融合し円汁との戦いに挑む。
とんでもねぇものを観てしまった。
なんだこのあらすじは。
劇メーションという手法が取られていて、とても古典的というか革新的というか非常に面白い試みではあると思うんだが内容と絵柄がとにかくキチガイじみている。
いや、ストーリーの大枠だけとれば、両親を殺された少女の復讐譚か。
仏像だの融合だの修行だのは説明しきれないので気になった方は是非ご自分の目で確かめてください。
絵柄はなんだろう、漫⭐︎画太郎とかそういう感じかな。個人的にはそれよりも遥かに生理的嫌悪感を覚える凄みを感じてしまった。
妙にSFチックでグロテスクなキャラデザは夢に出てきそう。おまけにやたらと粘液エフェクトが使われていて、効果音もやたらとネチャネチャぐちゃぐちゃミチミチしている。これは意図的に不快感を持たせるためなのか…?
主人公サイドも敵サイドも残念ながら漏れなく気持ちが悪いルックスなのに、声優陣がやたら豪華というギャップも妙に応える(声優には詳しくないが)。
紅子が敵と戦う覚悟を決めるシーンが一応なりにも仏教じみてて好き。
"これで頭を丸めるの?
おばあちゃんはこんなに長髪なのに?
もうわかったわよ!剃りゃいいんでしょ!剃りゃ!"
剃り落とされた髪の毛と、紅子の涙の演出が凝ってる。
"卑怯者め、彼の死後が心配だわ"
悪夢のような作品ではあったが、主人公紅子を演じた井口裕香という声優が美人だなというのが印象的なのが救いか(冒頭とエンディングで実写パートがある)。
野心的な映像と、ぶっ飛び過ぎた内容の狭間で揺れた結果このスコアなのは許してください。