とにかくスタンリーくんが魅力的。少しお調子者で、ときにほら吹き坊やと化すが、発想力が豊かで表情が生き生きとして、とても愛おしい。スタンリーくんをかわいがる、小林幸子さん似のローズ先生の気持ちがわかる。
なのに、食い意地のはった、横暴な国語教師に不当に扱われる。特に左利きの私は、スタンリーくんの左利きを咎める言葉に腹が立った。ヒンズー教文化の国では左利きは暮らしにくそうだ。そして、この男、なぜかいつも弁当を持参せず、生徒の弁当をねらっている。こんな教師はあり得ないと思うものの、それでも四段重ねのお弁当箱は、本能的にそそられてしまう気持ちもわかってしまう。
脚本もなく、子どもたちは皆素人というから驚き。
楽しい内容なのに切ない場面も多々あって、はらはら泣いてしまった。
ずっと観たかったけれど見逃してきたのに、東京ごはん映画祭にて鑑賞できた。本当にこの映画祭にふさわしく、お弁当がたまらなくおいしそうだった。