masat

ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょうのmasatのネタバレレビュー・内容・結末

2.6

このレビューはネタバレを含みます

NHK「LIFE/人生という名のコント番組」の原型のようだ。
ただ、こちらは勿論“SEX”という名のコント映画である。

期待し過ぎたせいか、強烈ではなく、かつ、性的誘発もそれほどではなかった。
というのも、この作品の影響を受けた、即ちパクリを、日本のコント番組含め、かなりのシャワーをすでに浴び続けていたからだと思う。
また映画においては最近でも、ファレリー兄弟による低俗極まりない驚愕オールスター大失態傑作『ムービー43』(13)で、この路線は健在だ。

とは言え!
『ブルージャスミン』(13)や『ミッドナイト・イン・パリ』(11)若しくは『世界中がアイ・ラブ・ユー』(96)なんかで気持ち良くなっている連中に観せてやりたい。

精子くん大奮闘→発射の「ミクロの精子圏」の大掛かり振りも良かったが、「巨大パイ・パニック」の怪奇映画へのオマージュが愛らしい。名優ジョン・キャラダインを際立たせているが、クリストファー・リーやピーター・カッシング、そしてヴィンセント・プライスに「ふざけるな!」と門前払いを食らった挙句に、何でもする人の良い洒落の解るジョン・キャラダインが受けたであろうことは容易に想像できる。

下衆な下心とどうやっても曲がらない自身の性癖が、すべての、この地球の原動力である。そしてそれが、それを心得ているウディ・アレンの全作品を貫く“ワンパターン”な“核”なのである。
本作は、それを改めて認識できる。
真のアレンとは、こんな奴なのだ。
アレン50本の作品の見掛けに騙されそうになった時、またこの作品へ還ろう!
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