Aix

水の話のAixのレビュー・感想・評価

水の話(1958年製作の映画)
3.6
つい先日亡くなったジャンリュックゴダールとフランソワトリュフォーによる唯一の共同監督作。大洪水の中男女が出会う話。

荒ぶる編集、今作を見ているとジャンプカットもゴダールの手によって生まれるべきして生まれたと分かりました。今作は大洪水という災害を利用して制作されたためか全体的にドタバタ感が強かったです。内容はトリュフォーよりも初期のゴダール的な要素に溢れていて、彼の後の作品に通じる男女の描写やメタ的な発言などがかなり目立っていました。でもなんか可愛く見えたし、テンポも早いし、撮影も頑張っていたので、映像制作に興味がある学生とかは結構良い刺激になる映画だと思います。ゴダールにしても、トリュフォーにしても、政治について語る説教臭い作品よりも今作みたいなチャーミングでアップテンポの映画の方が個人的には好きです。

ゴダールに関してはアニエスヴァルダを泣かせたり、クソおもんねえって映画を撮った時もあるため、正直に言うとそこまで好きな監督ではありませんが、映画史に残るような技術的な演出を幾つも残した偉大な監督には変わりはないので、亡くなったのはとても残念です。

ゴダールを始めとするヌーヴェルバークの時代に活躍された監督、役者、制作スタッフの皆様、長い間本当にお疲れ様でした。
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