りゅうすけ

武士の献立のりゅうすけのネタバレレビュー・内容・結末

武士の献立(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

安信の心を忖度し自分が居なくなれば独り身になった佐代と安信は心置きなく一緒になれる、そう信じて家を出てしまった春でした。流れ着いた先は漁村でした。心の中で何度もこれで良かったんだと唱えていたでしょう。

ふと声をかけられ聞き覚えのある声に驚き振り返った。そこには穏やかな顔をした安信が立っていたのでした。

お芝居だったのなら大向うの掛け声が聞こえてきそうです。春を見つけるまで帰ってくるなと言われた、の台詞にそうだそうだと言いそうになりますね。勘の言い方なら漁村のシーンでこのままでは終われないと思っていたはずです。

若い時は事を急いて血気に走りがちです。生きてほしいと願った春の行動は涙が出ます。親子で死に損なった、と和ませる伝内が重厚に諭しました。饗応の儀の大役を終えた安信、これまで献身的に支えてくれた春にきっと一番に喜んでほしいと思ったのでしょう。 いい映画でした。
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