プペ

ホワイトハウス・ダウンのプペのレビュー・感想・評価

ホワイトハウス・ダウン(2013年製作の映画)
3.8
はっきり言って「最高」だった。
まずそれを断言したい。
久しぶりにローランド・エメリッヒ監督らしい大仰でどストレートな娯楽映画を心から堪能出来たことに、満足感を超えて幸福感すら覚える。

ホワイトハウスがテロリストに襲われ、そこに偶然居合わせた主人公が現職大統領とタッグを組みつつ絶体絶命の危機に挑むというプロット。
実際に描かれるストーリーの大筋にそれ以上のひねりなどは正直無い。
おそらく大抵の人が容易に予想できる大団円を迎えて映画は終幕する。

だが、「最高」なのだから仕方ない。
ストーリーの顛末が読めようが予想通りだろうがそれでも面白いのだから何の問題もない。
私が長らくこの大味なエンターテイメント映画ばかりを作り続ける監督が好きなのはまさにその部分で、「娯楽」の王道を貫き通した愛すべきベタ映画を見せてくれるからに他ならない。

それは言い換えれば「私たちが観たいアメリカ映画」を見せてくれるということだとも思う。
「インデペンデンス・デイ」と同様に、今作も紛れもない“アメリカ万歳”映画である。
自国が発端で巻き起こった世界的な危機を、世界中の誰が見ても“分かりやすい”崇高なる意地とプライドで挑み、駆逐する。

その工夫の無い娯楽性、あまりに現実的ではない映画世界に対して、現実の世界情勢などを引き合いに出しつつ否定し嫌悪感すら覚える人も多々いることは理解できる。
ただし、そういう否定的感情と同時に、それでも世界中の人々がこの超大国に対して多大な“あこがれ”を抱いていることも事実。
映画を観て、空想と現実の狭間で揶揄しつつも、心の中では「こういうアメリカであってほしい」「アメリカはこうでなくちゃ」という感情が少なからず存在するのだと思う。

ともかく、小難しい感情は一旦抜き去って、馬鹿らしいアクション映画の世界にただ浸ることが、この映画に対しての正しい在り方だ。
プペ

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