緑はない、薪には困らない
どこまでも続く荒れた土地
歩く、ひたすら歩く
土埃があたりを漂う
喉の渇きをこらえる、幌馬車には乗らない、馬や牛たちも渇きを耐えている。
地図は無い。この先に水はある、豊かな土地があると道案内の男は言うが、ほんとうに道を知っているのだろうか。
きっと明日か明後日には。それが何日も続く。目的の地にはたどり着けない。引き返すなら今かもしれない。
原住民と出会う。言葉は通じない。布や食糧を分け与え、彼の靴を縫い、貸しをつくる。水のある場所へ導いてくれるかもしれない。
緑はない、雨もない
土埃が服に絡みつく
歩く、ひたすら歩く
それでも乾いた平原は果てしなく続き緑は姿を現さない。おそらく道案内人も原住民も道を知らない。
木を見つける。水があるかは分からない。引き返さないなら自身で進む道を決めるしかない。西へ行くしかない。
(メモ)
富と夢をつかもうとした無力で名もなき人々が確かにいた。開拓者であり犠牲者のようにもみえる